Ultra96 の mini Display Port

Ultra96 は mini DisplayPort 端子なので、テレビに映したいと思い、パッシブ系の変換ケーブルを買ってきた。

違うメーカーのケーブル 2本買ってみたが、どちらもダメだった。どうやら Ultra96 のビデオ出力はデュアルモードがサポートされていない模様。

もちろん、Display Port への変換ケーブルは機能するので、DP 付きのモニタを使えばよいのだが、10インチ位のディスプレイは HDMI しかサポートしていなかったりする。

仕方がないので、HDMI モニタはラズパイ用にします。

PetaLinux 2018.2 エディションで Ultra96 の wlan1 の dhcp クライアントを使う

Ultra96 ボードを Vivado 2018.2 および PetaLinux 2018.2 から dhcp クライアントとして wlan1 を使用する場合のメモ書きです。

Ultra96 には WiFi チップが乗っていますが、デフォルトでは phy の存在までしか認識されず、wlanX インタフェースを明示的に作成する必要があるようです。

そこで、Ultra96 の wlan1 をWiFiルータに接続するための手順をまとめてみました。

ちなみに、2018.3 にはどうも必要なファイルが足りていないらしく、initramfs からのブートすら出来ませんでした。

  • Xilinx の PetaLinux 2018.2 ダウンロードコーナーにある Ultra96 の BSP をダウンロードする。
  • petalinux-create -t project -s <BSP ファイル名> でプロジェクトを展開する。
  • petalinux-config -c kernel で WiFi チップのデバドラがあることを確認する。
    (デフォルトで入っているので通常はいじらなくてOK)
  • petalinux-config -c rootfs で User packages を選択し、
    packagegroup-petalinux-ultra96-webapp
    ultra96-ap-setup
    のチェックを外す。
  • Filesystem backages => base => busybox にある busybox-udhcpc のチェックをつける。
  • petalinux-config でブート先が SD カードになっていることを確認する。
    (本BSPはデフォルトで SD カードブートになっているので、通常はいじらなくてOK)
  • petalinux-build でコンパイルする。気長に待つ。
  • コンパイルが終了したら、images/linux ディレクトリに降り、
    petalinux-build --boot --force --fsbl zynqmp_fsbl.elf --fpga system.bit --pmufw pmufw.elf --u-boot

    で BOOT.BIN を構築する。

  • sudo su で root ユーザになっておく。また /mnt に何もマウントしていないことを確認する。
  • この投稿の後ろの方に示すスクリプトを走らせ、起動時に wlan1 を作成して udhcpc を起動するようにする。
  • SD カードをセットして、マウントする。/dev/sdX1 (X はお使いのPCによって変わります。私のPCでは “d” でした。) の場合は
    mount -t vfat /dev/sdX1 /mnt

    として、/mnt に FAT32 パーティションをマウントする。

  • BOOT.BIN, image.ub を FAT32 パーティションにコピーする。
    cp -fp BOOT.BIN image.ub /mnt
  • アンマウントして先ほど編集した rootfs.ext4 を dd コマンドで /dev/sdX2 にコピーする。
    umount /mnt
    dd if=rootfs.ext4 of=/dev/sdX2 bs=1M

    これも時間がかかるので気長に待つ。

  • お好みで e2fsck, resize2fs をかけて割り当てたパーティション全体が使用できるようにする。
    e2fsck -f /dev/sdX2
    resize2fs /dev/sdX2

     

以上のように作成した SD カードを Ultra96 に挿して起動すると、wpa_supplicant.conf で指定した WiFi  ルータにつながるようになります。

最後に、rootfs.ext4 を編集するスクリプトを掲載します。SSID, PSK にはお手持ちの環境に合った値を入れて下さい。

#!/bin/bash

mount -t ext4 -o loop rootfs.ext4 /mnt

cat <<EOF >/mnt/etc/wpa_supplicant.conf
ctrl_interface=/var/run/wpa_supplicant
ctrl_interface_group=0
update_config=1

network={
        key_mgmt=WPA-PSK
        ssid=""
        #psk=""
        psk=
}
EOF

sed 's/wlan0/wlan1/g' /mnt/etc/network/interfaces > '/mnt/etc/network/interfaces
.XXX'
mv '/mnt/etc/network/interfaces.XXX' /mnt/etc/network/interfaces
cat <<EOF >/mnt/etc/init.d/ultra96-wlan1.sh
#! /bin/sh

### BEGIN INIT INFO
# Provides: Ultra96 wlan1 interface
# Required-Start:
# Required-Stop:
# Default-Start:S
# Default-Stop:
# Short-Description: attaches Ultra96 wlan1
# Description:       attaches Ultra96 wlan1
### END INIT INFO

DESC="ultra96-power-button.sh powers off the board when the power button is pushed"

case "\$1" in
  start)
    echo -n "Start Ultra96 wlan1"
    iw phy phy0 interface add wlan1 type managed
    echo "."
    ;;
  stop)
    echo -n "Stop Ultra96 wlan1"
    ifconfig wlan1 down
    ;;
  *)
    echo "Usage: /etc/init.d/ultra96-wlan1.sh {start|stop}"
    exit 1
esac

exit 0
EOF

chmod +x /mnt/etc/init.d/ultra96-wlan1.sh

rm -f /mnt/etc/rcS.d/S99ultra96-wlan1.sh

pushd /mnt/etc/rcS.d

ln -s ../init.d/ultra96-wlan1.sh S99ultra96-wlan1.sh

popd

umount /mnt